「ボーカルミックスを始めてみたけど、コンプとかEQとか何がなんだかさっぱり分からない。。。」
今回はこのようなお悩みにお答えしていきたいと思います。
この記事を読むことで次のようなメリットがあります。
- コンプやEQなどエフェクトの知識がなくても完成度の高いボーカルトラックに仕上げられるようになる
自分も初心者の頃は、右も左も分からないまま適当にエフェクトをかけて訳のわからない音質のボーカルトラックにしていました・・・
ですが、この記事に後述する方法でミックスをするようになってからは周りから「ミックスが上手い」と認識していただき依頼などを多数いただけるようになりました。
コンプやEQの知識ゼロでも簡単にできますので、是非読んでみてください。
では、いってみましょう!
初段 ローカット
まずは、低域をローカットします。
ボーカルのローが残っていると全体的に音がモワッっとしがちです。
また、この後、コンプレッサーなどをかけることになるのですが、その際に低域が残っているとコンプレッサーのかかり具合が変わりモワッとしたボーカルになってしまいます。
それらを防ぐ目的です。
フィルターでもEQでもOKです。
自分はwavesのH-EQを使っています。
フリーでもDAW付属のEQやフィルターでもなんでもいいと思います。

アナライザーも兼ね備えていて視認性が良く便利です

H-EQも入ったバンドルです。どうせ買うならこちらをオススメします。
本当にローカットするだけです。
低域から徐々に周波数を上げていくと急激に音が変わるポイントがあるので、その前までカットしましょう。
わからなければとりあえず160Hzくらいまでカットしましょう。
二段目 Waves Signature Series Vocal
この二段目がキモです。
神プラグインという呼び声も高いWaves Signature Series Vocalを使用します。

これは、世界中の有名なエンジニアのボーカル処理を再現するエフェクトで、プリセットを選ぶだけでかなりいい感じになります。
僕はロック系の超有名エンジニアChris Lord-Algeのミックス技法をシュミレートするCLA-VOCALSというプラグインを使用します。

プリセットを選ぶだけでいい感じになります。
録り音が小さい時は左側のインプットを上げてかかり具合を調整します。
実際に音を比較してみましょう。
00:00 Normal(CLA-VOCALSなし)
00:17 CLA-VOCALS(プリセットを選んで、インプットつまみでかかり具合とアウトプットつまみで音量調整のみしました)
コンプとかEQとか全て自動でかけてくれているので、自分で弄る必要はないです。
「ちょっとコンプキツイかな」と思ったら「COMPRESS」を下げるという簡単操作で調整することも可能です。
あと、空間系のエフェクトは後で自分でかけたいので、「REVERB」と「DELAY」と「PITCH」というパラメーターはオフにしておいた方が良いかと思います。
パラメーターのところの「↑」マークを何回か押せばオフにできます。
ちなみにCLA-VOCALSは単体だと6,000円前後で購入することが可能です。
1、2回飲みに行くのを我慢するかバイトを一日増やせば購入できる値段なのもありがたいですね。
WAVES CLA Vocals (オンライン納品専用) ※代金引換、後払いはご利用頂けません。【SPD対象】【WAVESプロモーション特価】
三段目 ピッチ補正
有名どころだとAntares AutoTuneやCelemony Melodyneやwaves Tuneなどありますが、なんでも使いやすいものでいいと思います。

ANTARES ( アンタレス ) / Auto-Tune Pro

CELEMONY ( セレモニー ) / MELODYNE 4 STUDIO ピッチ補正ソフト
ケロケロボイスなんかを作ることも可能ですね。
ピッチ補正ソフトは高いものが多いので自分はWaves Tune Real-Timeを使用しています。
wavesのプラグインは比較的手頃な価格なので嬉しいです。
DAWソフト付属のピッチ補正機能があるならそれを使用しても全く問題ないです。
各プラグインの使い方などに関しては他のサイトでも紹介されていると思いますので、そちらをご参照ください。
どうしても分からないことがあれば、当記事のコメント欄やTwitterのリプなのでご質問いただければできる範囲内でお答えします。
ボーカルの各トラックに対して挿すプラグインはそれだけです。
あとはマイクとの距離感とか位置感によって音はかなり変わるので、録りながら探ってみてください。
基本的にはなるべく近くで録るのがいいと思います。
高音はまっすぐ進むのですが、低音は拡散する傾向があるので、遠くで録るとマイクが低音を拾わずスカスカした声になりがちです。
注意事項
このような方法で声にエフェクトをかければ、そこそこ聞けるボーカルトラックにはなるはずです。
ですが、一つだけ約束してください。
それは「いつかはこの方法でエフェクトをかけるのを卒業すること」です。
先ほどもお伝えした通り、ボーカルミックスにおいて一番重要なことは「ボーカリストの個性を活かすこと」です。
ボーカルに限らず音の個性とは「音量」「音色」「音程」の3つにより決まります。
waves SignatureSeriesやピッチ補正ソフトのオートモードは手軽に編集することが可能なので、初心者でミックスの仕方が分からないうちやデモ作成には向いていますが、ボーカリストの個性を消してしまうというデメリットがあります。
SignatureSeriesは固定されたパラメーターでコンプやEQをかけるというものなので、どんなボーカルのどんな曲に対しても同じ音量感と音色感に変えてしまいますし、ピッチ補正ソフトのオートモードはピッチの動き、すなわち「音程」の個性を消してしまいます。
もしあなたがいつか、ボーカルミックスの初心者を卒業してもっと上を目指すのであれば、音源制作について勉強を重ねて、モニタリング環境を整え、EQやコンプの使い方を学んだらその時は自分でプラグインを選んで自分でパラメーターを調整して自分なりの表現をしてください。
いまやボーカルミックスで録音後にボーカルの個性を演出することも可能なんです。
ボーカリストや演奏家だけでなく、ミックスも自己表現のステージだと思います。
映画やドラマが映像の編集でできているように、ドラマチックに音楽を表現するのだという気持ちでボーカルミックスに取り組むと楽しくなってくるはずです。
皆様がボーカルミックスに悩むことなく自由に表現できる日がくることを願っております。
↑もう一段階進みたい時の参考書籍です。
非常に良い本なので、道に迷ったら読むことをオススメします。
エンジニアだけでなく、ボーカリスト、アレンジャーなど音楽に関わる全ての人に手にとってほしい一冊です。
コメントを残す